Art Trip Amber Fort Ganesa
Amber Palace Jaipur Rajasthan India
アンベール城 ジャイプール 観光 ラージャスターン インド
ガネーシャ門 アンベール城 建築遺産
ジャイプールでの仕事の最終日、早朝、アンベール城に向かった。宗教色の強いこの地の遺跡をこの目で見たい!と以前から楽しみにしていた。向かう途中、遠くの麓の湖の上にかなり大きな城郭のようなものが見えてくる。もうこの辺りから、城壁都市が始まっているのかも。
車はぐんぐん山を登り、山麓に城壁が見えてきた。ほどなくして目にしたアンベール城の全容は、一枚の写真では収まりきらないスケール。
予約した象タクシーに揺られながら、16世紀の頃のようにゆっくりと城に向かう。お堀を過ぎ、到着した入り口は茶褐色のこの地の赤土に覆われ、古代遺跡のよう。城内からはラージャスターンの山々に張り巡らされた城壁を見渡すことができる。
外は無骨で男性的な雰囲気のアンベール城だが、一歩城に入るとカラフルで、外からは想像がつかないほど装飾豊かで女性的。写真の世界一美しいと言われる門は、ヒンドゥーで一番人気の神様ガネーシャの周りにイスラムの幾何学模様で彩られ、しばし足を止めてその見事な装飾に見入ってしまう。また、アラベスク文様の鏡の間の壁面にはヒンドゥーの有機的な植物が描かれている。城内は、全てがイスラムとヒンドゥーの文化、紋様が入り混じった装飾で埋め尽くされている。これがラージャスターン文化なのだ。互いの宗教を象徴するパターンが融合されたデザインは、なんて寛容で美しいんだろう。
この地は民族闘争が激しかった地域だが、異教徒文化を取り入れ、芸術にまで昇華させた優美な都に思いを馳せ、帰路についた。
Atsuko Imai