Art Trip Takabata Nara
Irie Taikichi Memorial Museum of Photography Nara
入江泰吉記念 奈良市写真美術館 高畑 観光 奈良
黒川紀章 近代建築 美術館 写真家 フォトグラフィー
写真は撮る人の美しい、面白いと思った”瞬間”。1枚だけでは分かり辛いが、沢山の写真を一堂に見るとその人が何を愛おしいと思っていたのかが見えてくる。奈良に出張の折に楽しみにしていたのは、入江泰吉さんの写真美術館。『奈良をずっと撮り続けた人』としか私は知らないが、彼が見ていたのはどのような奈良だったんだろう。閑静な住宅街である高畑は文化的なスポットがいくつもある。折角なので志賀直哉邸に立ち寄ってから。志賀直哉旧居
黒川紀章氏設計の目的地、入江泰吉記念 奈良市写真美術館に到着。1992年開館の近代建築。自然豊かな静かな町でこの建築だけとてもモダン建築なのに、裏にある薬師寺の瓦屋根と美術館の直線的な瓦屋根がリンクして、周辺の景観を全く壊してなく美しい。
本館の周囲を取り囲む水庭が、室内の天井に反射して美しい水紋を写している。逆さ絵のようだ。ああ、天気の良い日に来て本当に良かった。黒川氏はこれを勿論想定して設計をしたのだろう。これをみただけでも来た甲斐がある。
展示室には「奈良」があった。30年以上前の写真だが、今と変わらない四季折々の美しい奈良。暖かくなる小さな兆しを喜ぶような、ほんのり色をさした春から眩しい緑、色とりどりの秋から凍てつく冬。この風景を山々を奈良を、そしてそこに住む人々の生活を愛しているのがとても分かる素直な写真で、彼独特の靄のフィルターがかかっていた。それは目の前に広がる美しい奈良を撮るために、何時間も待ち耐えたのだろうと想像ができる“瞬間”を切り取った写真だった。
入江泰吉の見た世界。私も撮ってみたいと、翌朝、夜明けと共に撮影をしてみた。が、そんな直ぐに上手く撮れませんよね。。。
Atsuko Imai