Art Trip Kiyosumi Shirakawa Tokyo
Eiko Ishioka Blood, Sweat, and Tears-A Life of Design
東京都現代美術館 東京 観光 日本
石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか
私が石岡瑛子さんを知ったのはアカデミー賞衣装デザイン賞受賞の時。その事を伝えるニュースでの石岡瑛子さんの映像を今でも覚えている。世界で活躍するこんなに素晴らしい方がいるんだと、デザイナーを夢見ていた私は彼女に憧れた。活動が海外中心だからか、仕事内容はあまり知られていない。2012年に亡くなられた彼女の足跡を辿る企画展があると聞き、東京都現代美術館へ。この数年、コーヒーロースタリーが増えた清澄白河界隈。ALLPRESS ESPRESSOのコーヒーを飲みながら下町散歩。
すっかり東京のアートシーンの中心地として定着している東京都現代美術館。このところ注目の企画展が続き、目が離せません。リニューアル後は木製スツールやカフェなどで親しみやすくなり、滞在時間も増えそう。
今回の回顧展のポスター。これこれ、これが映画『ドラキュラ』のエスキース。鎧をこのように赤い筋肉で表現する人はいないでしょうね。しかも動物と合体している発想は斬新。
展示は60年代資生堂や70年代パルコのポスターからスタート。女性よ前を向け、性別は関係ないんだ己を持て、とそれらのポスターは表現しているように感じた。それは半世紀経った今でも言われている事で、石岡さんが早かったのか社会の流れが遅いのか考えさせられる。80年代から海外に渡り、活動内容は多岐にわたる。グラフィックから舞台衣装、空間、構成デザイン、映画からオペラ、シルクドソレイユ、北京オリンピックなどなど・・その迫力には驚かされたが、これらを展示した現代美術館も素晴らしい。この展示物を世界中から集めるのは大変であっただろうと思わずにはいられない熱量と物量。そして最後の展示、えこの一代記。「全ては19歳のとき夢見た事を彼女は続けていた」で締める素晴らしいキュレーション!
『血が、汗が、涙がデザインできるか。別の言い方をするならば、感情をデザインできるか、ということ。私の中の熱気を、顧客にデザインというボキャブラリーでどのように伝えることができるだろう。』
石岡様、私はあなたの回顧展を拝見し、熱気を感じ、感情が揺さぶられました。
Atsuko Imai