The Design impact of Helsinki カンピ礼拝堂の与える力

Art Trip Helsinki Mikko Summanen

Kampin kappeli Helsinki Finland
カンピ礼拝堂 ヘルシンキ 観光 フィンランド
ミッコ スマネン 近代建築 北欧デザイン

10月初め、ヘルシンキは美しい紅葉に包まれていた。2日間だけアイデアを探すために初めて訪れた街は、翌日から雨。この季節は連日雨交じりの天気になるらしい。北欧建築や北欧ブランドのショップを散策。食器メーカー、アラビアの商品にAppleと同じコンセプトのDesigned in Finland Made in Thailandとの表示を見つけた。『そうだよね。』と納得したが、できればフィンランドで作っていて欲しかった。。

早朝、ホテルを出ると街中が紅葉で彩られていた。街の至る所に公園があり、カラフルに色づいた葉が美しい。

小雨の中、マーケット広場で買った酸味の効いた美味しいブルーベリーを食べ歩きながら、有名建築を巡る。ヘルシンキ大聖堂、ヘルシンキ中央駅と歩いていく。ガイド本に載っているカンピ礼拝堂はもうすぐそこだ。

それは宗教施設とは思えない不思議な物体だ。木材を重ねて作られた楕円柱型で、一方が摘まれたように歪んだ形をしている。受付の方からの内部撮影の禁止を了解し、中に入ろうとすると、雨に濡れ、荷物を沢山抱えた男性も入ってきた。中は木製の四角い椅子と司祭台のみで驚くほどシンプル。一切の装飾がない空間は、自然と正面の十字架に意識が集中し、私には瞑想に近い感覚を覚えた。奇妙に思われたチャペルは、包み込む繭のような暖かさがあり、その心地の良さにいつまでもそこに居たいと思えた。見ると一緒に入ってきた男性も最後列に座り、静かに祈りを捧げている。恐らくここは、厳しい生活状況にある男性にとっての大切な場所なのだろう。高いデザイン性で有名な礼拝堂は、多くの人、祈りを必要としている人に利用されていた。

建築は写真で見るだけでは分からない。そこに行って、体験して初めてデザインの意図を理解することができる。それは建築だけではなく、他のことでも言えるかもしれない。
Atsuko Imai

kampinkappeli.fi