The Transformed museum by Cocteau コクトーがマントンで与えたもの

Art Trip Musee du Bastion Jean Cocteau

Menton Cote d’Azur French Riviera France
ジャンコクトー要塞美術館 南仏 マントン 観光 コート ダジュール
コクトー 美術館 芸術家 建築デザイン

南仏には芸術家ゆかりの地が沢山ある。それもヨーロッパ中の画家が創作活動をしたのでは?と思うくらい。何故?と思ったけれど、一度でも足を運べば納得できる。今回はすでに名声を確立したジャン・コクトーが1955年に初めて訪れ、魅了されたマントンに。マントンの市場は街一番の賑わいで、艶々の野菜からチーズ、生ハム、花など色鮮やか。

マントンと言えばレモン。朝食はマントン名産のレモンジュースと美味しいピザ。砂糖を沢山入れてもまだ酸っぱい。レモン100%!

マントンにある2つのコクトーの美術館を訪ねた。駅から一番遠い海沿いの小さな要塞は、コクトーが晩年修復の指揮をとり、その完成を見ることのなかったジャンコクトー要塞美術館。外壁にはマントンの海岸の石を使った作品。親友のピカソの影響を感じる。館内にも映画、陶芸など、いくつかの彼の作品。

彼は画家?陶芸家?映画監督?私は小説作品の印象が強い。多くの才能を持つ彼を一言で表すなら「芸術家」。そんな彼のここでの作品は、この美術館そのものだと思う。リビエラの小さな街は地中海の覇権争いに翻弄された歴史を持つ、海の見張りとして敵を威圧した屈強な要塞。平和な時代となり、役目を終えた街の守護者に彼が与えた新しい役割。美しいマントンを歩き、その終着点として多くの人が足を運ぶ小さな美術館。今、静かに街と海を見守っている。

そして、建物の碑にはこう書かれている「Je reste avec vous 私は貴方達と一緒にここにいます」。ジャンコクトーもこの海を見守っている。

Atsuko Imai
museecocteaumenton.fr
jeancocteau.net